ハーフスピン!
筆者が車仲間のLoversのメンバーと食事をしているときの事である。
筆者の携帯が鳴った。相手は妻からである。
話の内容は、ボルボがクルット回った!?!?と興奮気味に話している。

話をよく聞いてみると、妻がボルボに乗って高速道路を走っていたら前方を走行していた乗用車が妻の運転するボルボの前で突然車線変更を行ったらしい。
ビックリした妻は急ブレーキを余儀なくされ、かなり強めにブレーキを踏見込んだ!
するとボルボのテールが流れ出したので逆ハンを切ったらしいが、結局、左右にテールを振りながらハーフスピンして高速道路上に止まってしまった。と言う内容だった!
後続車に追突もされず、怪我も無かったみたいだがボルボのフロントバンパーが中央分離帯のコンクリートに擦れてしまったらしい。
その後、高速道路上で車を切り返して、何事も無かったように家にたどり着いたようだ!

まぁ、バンパーの傷だけで怪我は無かったので安心して、食事を続けようと思ったら、メンバーが5分で家に帰れる距離なので、とりあえず家に帰って「大丈夫かぁ!?」と声をかけてきた方が良い!と言い出した。
普通なら筆者もそうするが、1年間に3〜4回もボルボをどこかにブツケテいる妻を何時もみているので、多少のボルボの傷くらいでは筆者は麻痺をしてしまって、もう驚かなくなってしまっていた!
しかし、メンバー達が高速道路上でスピンをしたと言う状況が状況なだけに、心配で家に飛んで帰った!と言うパフォーマンスだけでも見せないと離婚されるぞ!と皆で脅かし始めた!
ボルボの状況も気になってはいたからとりあえず家に帰って見ることにした。

妻は生まれて初めてのスピンを経験した筈なので、かなりショックを受けているかと思っていたが、家に帰り妻の顔を見るとケロッとしている!
スピンまでの状況をジェスチャーを交えながら筆者に説明している!しかも、終始冷静でパニックにもならず、スピンした時にも良く状況を把握していた!と自慢しだした!
かなり、ヤバイ!!

先般ボルボのブレーキをブレンボ製4ポットキャリパーと320ミリローターに取り替えたばかりであり、ブレーキの効き具合には自信をもっていた筆者であったが、逆に効き過ぎてしまったか!?とその時は思った。
しかし、気にはなる。

雨が降って路面が濡れしかもスピンしやすい状況になる日の夜がボルボのブレーキテストを行うにはベストである。
その日を待っていたが、梅雨時なのでその状況はすぐにおとずれた。

交通量の少ない道路を探しブレーキを強く踏み込む。
リアが簡単に流れ出す。
なるほど、この状況なら妻なら簡単にスピンしてしまうな!と思った。
この車のブレーキは、リアが先に効いているのだ!乗っていて急ブレーキを踏むと後ろに引っ張られる感じですぐに分かる。

ボルボの純正フロントキャリパーは、本来、片押しの1ポットキャリパーであるが、今回、フロントブレーキはブレンボの4ポットキャリパー&ステンメッシュブレーキホースに交換した。
フロントのキャリパーピストンが4ポット化される事により、純正の1ポットに比べ間違いなく安定した制動力を発揮し、効きに関しても数段向上している。
しかし、トータルのピストン径(ピストンの合計数ではなく、ピストンの大きさの径の事)が純正1ポット時に比べ大きくなっている。
いっぽう、リアはノーマルキャリパーのままでステンメッシュだけの交換なので、マスターシリンダーから送り込まれるブレーキオイル圧がリアの方に強くかかっているみたいだ!

どう言う事かをもっと簡単な例で説明すると、ごく一般的な水ホース(洗車の時に水道の蛇口に繋で使う水ホース)で水を撒いている時にホースの先端を指で押してすぼめると水圧が高くなる。
少し違うかもしれないが、フロントが水ホースの普通の状態の圧で、リアが先端をすぼめた状態の圧と言うふうに想像すると分かりやすいかもしれない。
簡単なたとえで言うとこれと同じような現象がボルボのブレーキに起こっているようだ!
ABSがあればリアブレーキのロック状態もある程度は緩和されるとは思うが、あいにくボルボのABSは現在壊れている!これも災いしたみたいだ!

と言う事は、今回、妻が高速度路上でブレーキを踏み込んだ時に起こしたスピンは、筆者がABSの故障を直さず、更にはフロントに大型キャリパーを入れた事が原因なのか!?
それが原因ならば妻に殺される!! この秘密は妻には内緒で墓場まで持って行こうと決めた!



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