R129 SL編

オートマのOHとトルクコンバーター

筆者のSLの現総走行距離は13万5千キロに達する。 この間、ATは一度もOHをした事がない!あれだけ過酷な走り方をしているのに、一度もである!
以前、バルブボディーの洗浄はした事があるが・・・

周りからも、良くここまでもったね!って言われる事がある。
現在でも特にATが滑っている感は無い!
おそらく、高速道路の走行が全走行の80%を占めていることも、ここまでATの寿命をのばした要因だろうと思う!

ATが滑っているような感が無いのに、今回何故OHに踏み切ったかと言うと、最近V8  AMG6.0と走る機械が増えた事により、V12  7.2Lのパワーの優位性をあまり感じなくなってしまったからだ!
このエンジンを監修したUBTの高橋代表曰く、「AMG7.2のパワーが確実に駆動輪に伝わっていなければ、どんなにパワーがあっても、そのパフォーマンスを発揮する事はできない! AMG 6.0と加速が変わらないのはATの滑り以外考えられない!」と言う言葉で42万の投資をする覚悟をしたのだ!

筆者のもう一台の愛車であるW124は、2年ほど前にATOHをした。その時には2速から3速にシフトアップする際にタコメータの針が一瞬上に振れる状況があった。
また、乗っていてもこのW124ATには確かに滑っている感があった。
だが、このSLではそれがまったく感じられない! 確かに13万キロ以上走行しているので多少のロスは出ているとは思うが、それは多少でありV8 6.0に後ろに張り付かれるほど滑っているとは思えない!
筆者のSLにはJMOのスーパートルクコンバータを入れてある!
筆者が考えるに、200K近くの速度域で6.0と速度の伸び方が変らないのは、このスーパートルコンに原因があると予想している!

ノーマルのトルコンに比べ、明らかに大きさが違う!

 

             左側がスーパートルクコンバーター
 

小さいほうが回転速度の上がり方も早くなり、加速性能が向上するのだろう。 考え方としてはMT車の軽量フライホイルみたいなものだと思う。
トルコンの中は絵のようになってる。

                

大きな扇風機より小さな扇風機の方が羽根の回り方は速いが、風を送る流量は大きな羽のほうがある。
トルコンも同じようにスーパートルコンの方が立ち上がりは良いが、ノーマルの大きなトルコンの方がオイルをかき出す流量は多い筈だ!
一度回転がつけば、ノーマルのほうが高速域では優位になるのかも・・・
その考えがあっていれば、低速から中間加速まではスーパートルコンの方が回転の立ち上がりが早く優位で、超高速域ではノーマルトルコンの流量がものを言う状況になるのでは・・・

と言う事で、今回ATOHと共にトルコンを一度ノーマルトルコンに戻す事にした!

下の画像は、13万キロ走ったATの状態

   2                          3速

 



    3速固定                     4速

 

                         リバース

                 


一週間ほどで
OHとトルコンの換装が終わり、早速試乗をしてみた。
まず最初に感じたのは、発進時の排気音が小さくなった事である。
これはエンジン回転数が低い状態で発進して行くことによる、排気音の低減によるののだ。
発進時のエンジン回転数は、以前なら平地で2300~2500回転、上り坂なら3000回転以上回った段階で車が前進を始める。
だが、ノーマルトルコンに換えてからは、わずか1000回転ほどで発進する!
これが普通と言われればそのとおりだと思うが、10年以上もJMOのトルコンの特性(JMOのトルコン特性は、全体的にこんな感じだ!)に慣れてしまっている筆者にはチョッとした感動ものだった!
SLって、街乗りでもこんなに楽に乗れるのねん!って感心してしまった!
だが、多少の不満点もある。 T号が加速していくときの甲高い排気音が筆者は好きだったのだが、少しおとなしすぎて寂しく感じてしまう。(高回転になってくれば、以前のT号の排気音に戻るので納得の範囲だが)

次に100から180キロ位までの加速状態はと言うと、これは・・・遅くなったように感じる!
タイムを計ったわけではないので、あくまでも体感加速ではあるが、硬いエンジンオイルを入れて重いものを頑張って走らせているって言うような・・・表現が難しいが以前のような軽やかな加速フィールはない!

更に180以上での加速フィールはと言うと、3速から4速にシフトアップするときに以前は多少のモタツキがあったのだが、今回はそのモタツキは感じられない。
これは、トルコンによるのもなのか、それともATのオーバーホールによるものなのかは分からないが、軽やかさとは違う気持ちの良い加速状態を続けて行く!

全体として、ATのOHを行ったことでシフトダウン・シフトアップの繋がりは格段に良くなった。
しかし、トルコンをJMOからノーマルへ戻した事が筆者の求める方向性と一致したかどうかは分からない。
やはり、AMG6.0と一緒に走ってもらい、体感ではなく実測として試してみないと何とも言えない!
ノーマルトルコンに戻して遅くなってしまったなら、直ぐにJMOに再度換装しなおす予定である! また、金がかかってしまうなぁ〜!

それと燃費だが、リッター2キロは伸びている!
これはATとトルコンの両方からの恩恵であろうと思う。





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