R129 SL編 |
SL 全塗装 そのT |
数年前からずーと考えていたSLのオールペンを決心した。
長年の過酷な走りに、塗装が飛び石でボロボロの状態!
サーキット等にも持ち込んで走っていたので、こうなるのは仕方がない。
タッチペンでごまかしていたが、洗車の度に新たな傷を見つけて、速攻タッチペン状態!
深い傷は下地まで飛び石が食い込んで、地金から錆が出ている箇所も・・・。
その上から、またもやタッチペン!
ヘッドライトレンズは、何回も交換している。 4〜5回ほどかな!!
このヘッドライトレンズも、数か月前に交換したものなので、レンズはまだキレイだが周りの塗装が・・・。
画像では少し分かりずらいが、近くで見るとフロント周りはほぼ全てアバタ状態!
友人の工場に塗装をお願いしたのだが、忙しいとの事で良い返事をもらえず、他の工場へ問い合わせをした。
塗装工場をどこにするか色々悩んだが、価格的にはどこも同じ。
フルラッピングと言う手も考えたが、「このアバタではラップとの間に気泡が入り、キレイにラッピングできない!」と業者に断られる状態!
フルラッピングも価格は結構するんだね! 全塗装より若干安いくらいの価格だ!
安い塗装工場もあったが詳しく話を聞いてみると、部品を外さず上からの塗装だけ!
ボンネット・ドア・トランク・前後バンパー・各パネル等々、外さずに塗装!!
これでは表面だけキレイでも、ドアを開けたら内側は汚れたまま!!
やはりここは、無理にでも友人の工場に頼むしかないな!
結局、以下の条件付きで友人の工場で引き受けてもらった。
〇納期に文句は着けない。
〇出来る限り手伝いに来る。
〇手伝いの作業中、手際が悪くて文句を言われても口答えしない。
〇手伝っている期間中、休憩時のお茶や昼食代は筆者持ち。
この条件を2つ返事でOKして、やっと塗装会社が決まった!
ただし、工場入りは、少し仕事が落ち着く10日後からと言われた。
10日後、満を持して工場入り。
早速、エンブレムなどを取り外す。
キレイに取れれば再利用出来るので、時間をかけて丁寧に取り外し作業を行った。
先ずは、ボンネットからの作業。
剥離剤で地金を出す。
剥離剤を塗るとクリアが最初に浮かび上がる。
それをスクレーパーで削り取り、また剥離剤を塗布。
次にやっと塗装が少しずつ浮き上がってくるので、これもスクレーパーで削る。
この作業を何度も繰り返していき、地金が見えてくる。
当初はゴム手袋をしながらハケで剥離剤を塗布していたが、手袋の中の手がヒリヒリ・ピリピリする!
よく見たら、剥離剤でゴム手袋も溶け出していた!!
それを見ていた友人が、ゴム手袋なんて使わずに素手のまま手に付かないように気をつけて塗ればいい!
とのアドバイス!!?? これってアドバイスかぁ〜!
文句を言わない条件なので、素手でハケを持って剥離剤を塗り続ける。
気をつけていても、剥離剤がどうしても手に垂れてくる!
これは痛い! 剥離剤が手に付くと直ぐに手を洗って・・・この繰り返し。
剥離剤と格闘する事数時間。
やっと地金が出て、一度ここでボンネットを水洗い。
一番苦労したのは、パテが付いている箇所だった!
剥離剤ではなかなか取れない。
一旦、水洗いで剥離剤を落として、次に耐水サンドペーパーでホースで水を流しながら細かい部分を削る。
この日はボンネット1枚のみで終わってしまった!
作業2日目は、左右のフロントフェンダー。
出来れば左右のドアまで進みたい。
フェンダーに剥離剤を塗っていく。
塗ってしばらくすると、クリアが浮き上がる。
昨日はここで浮き上がったクリアをスクレーパーで一度剥がしたが、今日は剥がさずに更に剥離剤の塗布。
何度か重ね塗りした事により、剥離剤の節約につながった!
時間も短く出来た!
しかし、ハケを持っている手は、相変わらずヒリヒリ・ピリピリだ!
バンパーやサッコパネル等は鉄じゃないので、剥離剤が垂れると溶け出すので、事前に取り外しておく。
この日は、予定通りフェンダー2枚とドア2枚の地金出しまで進んだ。
簡単に水洗いをして剥離剤を落とした。
この後は耐水のサンドペーパーで最後の仕上げに移るのだが、ここは友人が行うとの事で今日の作業は終了。
3日目の作業は、工場に急ぎの別の仕事が入ったので、1日あけての作業開始。
この日は、トランクフードの剥離に取り掛かる。
剥離剤で手はボロボロ状態だが、要領がだいぶ分かってきたので、作業のスピードも上がってきた!
集中すれば、トランクフードは1時間もしないで剥離完了。
少しスクレーパーで引っかき過ぎたが、サフェーサーを吹き付けるので問題なし。
サンドペーパー掛けをしていた友人が、右ドアのキーシリンダー下に異常にパテが入っている事を指摘!
「こんな大量のパテの上からサフェーサーをかけて塗装をしても、いずれパテ痩せしてくる可能性がある」!
「このパテの下がどうなっているか確かめたい」と言い出して、グラインダーでパテを削りだした!
削ること数分、何故この箇所に大量のパテ埋めがあったのか、全容が見えてきた!
友人曰く、〇の部分はドライバーか何かを差し込まれた痕だと!!
この奥にドアロックがあり、ドライバーを差し込んで回せば、ロック・アンロックが出来る。
おそらく、全オーナーの時代に、窃盗犯がドライバーを差し込んでロックを解除しようとした際に出来た傷ではないかと!!!
その時に純正のイモビライザーが作動して、事なきを得たのだろう!
グラインダーで削った箇所は、画像では分かりにくいが、全体的にかなり凹んでいる!
地金まで出さないと分からなかった部分ですな!
友人の工場に頼んで正解だった!
友人は極力パテを使用したくない職人なので、この凹みを引っ張り出すと言う!
次回は、凹みの引っ張り出し作業から・・・。
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