R129 SL編

SL フレーム修正 初めての整体
2019年8月



友人の工場で板金塗装を行ったのだが、塗装終了後に外していたバンパーやボンネット等を取り付けていく際に、チリが1mm〜1.5mmほど合わないと友人から連絡が入った!!

見てみると確かにほんの僅かだがズレがある!
全塗装前からこのような状態だったので、筆者はあまり気にもしていなかったのだが、職人の友人は気になるようだ!

この工場にはフレーム修正機がある。
ならば、修正機に乗せてフレームがどうなっているかを点検してみたい!


友人曰く、「フレームが曲がっていたら、□50km以上のスピードなんて怖くてアクセルを踏めないと」。
「だから心配しなくて良い!」と言われたが、筆者は単純に修正機に乗せてみたいと言う気持ちが強く、無理を言って説得し,やっとの事で承諾を得た!






ジャッキアップポイントにステーをハメこんでボディーを固定する。










前後4ヶ所全て固定完了。







先ずは、左右のホイールベースを計った。

す、すると、な、なんと・・・!!
ホイールベースの右側は308.2mm   それに対し左側が309.3mm !!??
1.1cm左側のホイールベースが、な・が・い!!!!!
  






これは大問題だ!  どうりで直進安定性や左右のコーナリング時に嫌な挙動をするはずだ!

早速、フロントからリアまでの各ネジのポイントまでを、左右・前後・対角線上に細かく計っていく。
この時に数ミリでもズレがあれば、フレームに何らかの問題がある事になる。

計測の結果、フレームには全く問題はない事が分かった。

しかし、ロアサポート部分が計測ポイントで1.5mm位右にずれていたのだが、ロアサポートの上はラジエターなので、ホイールベースの左右の長さには関係が無い。
ましてや、フレームの歪みなどには全く関係が無い箇所だ。

では何故ホイールベースの長さが違うのか!?!?!?







フレームに問題なければロアアームだろ! っと言う事で、フロントロアアームの調整位置を0位置に戻してみた。
何故ロアアームを疑ったのかと言うと、ロアアームの調整位置がの方向を左右とも1時から3時の方向に向いてアライメントがとられている!

下手なアライメントの取り方で、無理やり調整した結果、トーやキャンバー、それにキャスターを数値だけで合わせた結果、ホイールベース左右が変わってしまったのか!?
  







調整位置を左右0位置に戻して、ホイールベースを計ると、おおおお!!
右308.6mm    左308.2mm   となった!
  





再度左を若干弄ると、左308.6mmで左右のホイールベースがそろった!







ホイールベースがそろったところで、今度はロアサポートの修正を行う。
これは修正機じゃないと直せないので、ここでやっと修正機の出番となった。
1.2mm位のズレだが、フロント先端では7〜9mm位のズレになるので、これを引っ張る。








ロアサポートの修正が終わり、再度計測すると、見事に修正されておりズレは無し!
この後、昔ながらのやり方でトーの調整をして終了。





毎回アライメント調整を頼んでいる工場には、ベテランの整備士がいたのだが、最近退社してしまったようで、担当が若い整備士に代わっていた。

この工場では、最新式のアライメント調整機を導入しており、デジタルで出てくる数値を見ながら調整を行っているが、デジタル数値だけではない論理的な経験値が求められる。
それが欠如していれば、数値はそろっていてもバランス的には難が出てくる可能性がある。

とりあえず、簡易的な調整は行ったのだが、アライメント調整先の新たな工場を探さなくては・・・。


数日後、夜間、いつものテストコースを走ってみた。
直進安定性は抜群だ!
〇20〜〇50kmまでのコーナリングに関して言えば、簡易調整でも今までより安定しているように感じる!
しかし、それ以上の領域では、アライメントを簡易調整でトーしかとっていない状況では、どの様な挙動が出るのか分からない!
アクセルを踏み込むには、まだ少しためらいがある!

しばらくはこのままの状態で、少しずつ速度を上げながら、コントロールできる範囲で挙動を確かめながらテストして、データ取集だな!
このデータをもとに、本格的なアライメント調整を行おうと思う。



機会があったら、調整後のテスト走行で、そのレポートを Night Cafe で報告する。






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