【UBT/スペックΩ インプレッション!】

12年間愛用していたOHLINS製のショックから、今回はBILSTEIN製のUBT/スペックΩへ変更してみた!


             OHLINSフロント                             BILSTEINフロント



スペックΩ装着後、直ぐにアライメント調整を行って早速テストコースに紅号と2台でくり出してみた。
このコースは300R〜600Rが何度も続くコースなので、足回りのテストには良く使うコースだ。


さて、インプレッションだが、高速道路に入り130k位でステアリングを少し大きめに左右に振ってみる。
すると、直ぐに感じたのはステアリング操作に対するヘッドの入り方の遅さだ!
OHLINS製ショックに比べて常にワンテンポ遅くノーズが入ってくる!
これはいかん! 完全に強化スプリングにショックが負けてしまっている!

実は、UBTの高橋代表のお勧めの減衰力設定値は、フロント / リア 共に5番の設定値だった。
だが、
Roger高橋氏の勧める設定の120Up位が筆者には丁度良い設定値だと言うのが以前から分かっていたので、今回もフロント / リア 共に設定値は彼の言うそれより1段高めの4番にしていた。
しかし、それでも今回はもう一段高めの3番を使わなくては、200k以上のスピードレンジに入ると姿勢のおさまりが悪くなり、恐怖を感じる事になるだろうという予測がつく!
直ぐにSAに止まり、フロントショックの設定を一番上げて、再度ステアリング操作にて同じテストを行った。
すると、先ほどのワンテンポ遅れてヘッドが入るような挙動からは、だいぶ改善されて運転し易くなったが、もしかしたらフロントをもう一段更に高めに調整しても良いのかもしれない!!

高速を走る事数十分後、いよいよテストコースに突入する
先行を紅号にとってもらい、筆者がその後ろに続く。
うぅ、・・・ フロントの接地感が何となく薄く感じ、車の挙動が?みづらい!!
高速コーナリング中に思い描いたラインを車がきちんとトレースしてくれるか心配になり、ついついアクセルを戻してしまう!
また、リアのほうは、多少だがロールが大きく感じられ、リアが流れ出すタイミングが分かりづらい! タイヤの踏ん張りが無くなった瞬間にテールが一気に流れ出しそうな気がする!
当然のごとく高速コーナーでは、紅号に徐々に離されて行く!

では、このΩでは、ちゃんと曲がらないのか!?と言うとそうではなく、しっかりと曲がってくれる!
コーナー中のバンプに対しても一発で収束し、おつりを残さないので、実際にはテールアウトする事も無い!
また、剛性も十分あり、V12の重い車重とフロント17kもある強化スプリングのレートをシッカリと受け止め、重いボディーを支えてくれる!

それでは何が悪くて紅号について行けないのか・・・!?

行きのテストコースが終わり、SAにて暫しの休憩を取ったが、そのときに車高を見たら足を組んだ直後より、リアの車高が少し下がっている!
極端な表現で言えば、逆ホットロッドになっている!(そんな大げさなものではなく、若干だけどね!)
なーるほど、このコースの行きはずーと上りになっているので、今回リアの車高が少し落ち気味の状態でアンダーのような接地感が無いような・・・こんな感じを受けてアクセルを踏み切れなくなってしまったのだろう!
また、慣れ親しんだOHLINS製ショックとの特性の違いも一つの要因になっているのかもしれない。
BILSTEINは、油圧ではなくガス圧がメインであり、減衰力を高めに設定するとゴツゴツ感が出る!?・・・ような感じがする。
では、車が跳ねて乗りにくい状態になるのかと言うとそうではではない!

ハッキリ言って、筆者がこのΩに慣れていないと言うのが一番大きな要因だろうとは思うが・・・。
そもそもV12の超重量級の車重で、走り慣れているLoversV8軍団とコーナリング中の同じ旋回性能を求めるような高望みがいけないのだろう!
V12にはV12の走り方があり、コーナーでは何とかあまり距離を離されず、立ち上がりで一気に距離を詰めてそのまま抜き去るってのが理想だが、現実はそうあまくは無い!

休憩終了後、帰りのコースに入る。
テストコースの帰りは下り坂になっている。
フロントが上がり気味の車高なので、下りはとても気持ち良く走れた!
筆者が先行し紅号が後ろに続く形だが、紅号に後ろをピッタリとマークされる事も無く本来の走りに少し戻ったような・・・戻ってないような・・・。
多少Ωの特性に慣れた事もあるのかもしれない。

全体の感想だが、Ωは奥が深くとても満足の行くショックだと筆者は思う!
まだまだ開発の余地はあるとは思うが、ちょっとした飛ばし屋さんなら十二分以上のショックではないだろうか!
当分の間、このスペックΩで飽きずに遊べそうな予感がするが、早速、課題が出てしまった!
フロントのスプリングレート17kに対し、リア10kのバランスが悪いのかもしれない!?
ずーと以前は、リアのスプリングレートは13kにしていたのだが、現在はUBT製の10kスプリングを入れてある。

V8もV12もリア部分の重量は殆ど変らないので、V8用と同じ10kにしていたのだが、F17 / R10 では少しバランス的に悪いのかもしれない!?

今度のLovers 1000Kツーリングで、更にもう少し深くこのΩの特性とスプリングレートのマッチングを試してみようと思っている。
OHLINSでは、もう何も出来なかったのでつまらなく感じていたが、BILSTEINでは、またまた悩む楽しみが出来た!

スペックΩ 取り付け編はGarageLifeGo



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